向日葵を君に。
「……楓くんは向日葵の花言葉って知ってる?」

「ん?」

「…『あなたを忘れない』…」


―離れがたいと思うぐらいの笑顔も、仕草も、肌の熱も、全部、全部、忘れないから―。

「……向日葵の花言葉は『あなただけを見つめてる』だよ」

楓くんは、呆れたような顔をした。

「『あなた忘れない』は紫蘭。まったく…なーに深刻な顔してるんだかっ!」

言いながら保健室の窓から飛び出した。

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