向日葵を君に。
「私服とか見てみたいし」

「まーいーけどー」

「よっし、決まり!詳しくは後でメールするね」

「どこ行くの?」

「考えとくよ。じゃ、今日はもう帰るわ」

私は、立ち上がってドアに向かった。

「またね〜」

「…オレ置いてけぼりすか」

ドア越に楓くんの声が聞こえてきた。

―ごめんね、こんなあたしともう少しだけ一緒にいて―
あふれ出る涙を拭いながら私は放課後の廊下を歩いた。



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