向日葵を君に。



―ひとつ思い出が増える度胸の軋みは大きくなるけどあたしは今、幸せよ。


……バタバタバタバタッ!

廊下の向こうから盛大な駆け足の音が聞こえた。

「先生!」

「あー、楓くんまたサボリ?ちゃんと授業でなさいよー」

「…」

「昨日帰り遅くなって親御さん心配してたでしょー。
学校の子に会わないようにって遠出させすぎちゃったね。」

「先生…学校辞めるって………どーゆーことだよ!?」

楓くんはあたしの腕をしっかりと掴んだ。

「…誰に聞いたの」

「職員室でほかの先生が話してた。…先生、どーゆーこと」

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