向日葵を君に。

「……母が、倒れたの。
ほかに身内もいないからあたし田舎に帰らなきゃ。」

「…」

「命に別状はないみたいだけど、1人にしておけないから…。家の整理も、学校の手続きももう済んだから…。
…―明日東京を発つわ。」

楓くんは、ゆっくりと、掴んでいた私の腕を離した。

「オレどうなんの?」

「……別れましょう」

「何で」

「あなたに遠恋は早すぎるわ。」



ばん!

「決めつけんなよ!!」
< 29 / 38 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop