向日葵を君に。
「………ごめん」

「…何で手ぇ出した?
初めっから居なくなることわかってて、何でオレに手ぇ出した?」

楓くんの瞳には、怒りや、軽蔑がなかった。

ただただ、悲しそうで、切なそうで、苦しそうだった。

…その表情が、更に私の胸を締め付けた。

「……っ」

「先生るいよ……っ…辞める記念に高校生と火遊びでもしたくなったのかよ……?」

楓くんは私の肩をつかみ、揺らした。

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