向日葵を君に。

pipipi…pipipi…

「んー、誰だよー。…なに?」

楓くんは気怠そうに携帯を取った。

「…分かった。帰るよ」

「…」

少しの沈黙を楓くんは破った。
「帰るよ。バイバイ。先生」

楓くんは力なく笑った。

「何か、あったの?」

「…」

「楓くん…」










「…親父…、死んだって」

もう一度力なく笑うと、楓くんは保健室を出て行った。
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