恋してHoney!?【短編】
そんなキミの姿も、ボクに予防線を張ってくるその男の姿も、ボクは見たくないと思った。
堪えれないと。
ちょうどその時、ボクの心を見透かしたように予鈴が鳴り響き、ほっとした。
「あっ、ボク戻らないと。それじゃ真実さん、またね」
ボクはとびきりの笑顔を見せて真実さんに言った。
この醜い心を悟られないように。
「うん、またね」
キミもまた、いつものように可愛らしい笑顔をボクに見せてくれて、ボクは少し浮上する。
またね、ということは次があるということ。
しかし、去り際に見てしまった。
「恭二も早く戻りなよ。」
その男を名前で呼ぶキミの姿を。
ボクには苗字なのに。
口調もボクに対してと違う。
早くその場から離れたくなって、近くの階段を駆け降りた。