Vrai Amour ~美桜の場合~
「ねえ、陸」
「ん?」
陸は私の隣で一生懸命ネガを覗いてる。
でも、顔をあげようとはしない。
「ねぇってば」
シャツの袖をくいっと引っ張ると、陸はゆっくりと顔をあげた。
「・・・・もう。美桜さんは変なとこ無防備だよね」
顔を上げた陸の顔はすでに真っ赤で。
でも、それに気づいたときはもう遅くて。
・・・・キス、されちゃった。
ちゅっと吸い付くように触れた唇は一瞬で離れた。
そして、かなりの時間差で今度は私が真っ赤になる。