Vrai Amour ~美桜の場合~
「・・・ぷっ」

そしたら、陸が笑った。

「え?」

「美桜さん、すっごい可愛い」

今度は陸の両手が熱くなった私の頬を挟んで、ゆっくりと唇が重なった。






目を閉じると、トクントクンと心臓が震えるのがわかる。

触れている唇は柔らかくて、あったかくて・・・・





その幸せな感覚に、思わず時間が止まってしまえばいいのに、と思ってしまう。








唇が離れると、陸は小さく息を吐いてそっとおでこをつきあわせた。






言葉は何も要らない。







陸・・・・


陸が好きだよ・・・





そっと抱き寄せられた腕の中で、何度もそうつぶやいた。
< 15 / 48 >

この作品をシェア

pagetop