Vrai Amour ~美桜の場合~

「それとこれ・・・」



陸はポケットから1枚の名刺を差し出した。



「なぁに?」



覗き込んでみると上のほうにプロダクションという文字が見える。




「美桜さんに・・・って」



「え・・・」



名刺を受け取り、顔をあげると陸は今にも泣きそうな顔をしている。



「・・・や、やだ・・・モデルなんて・・・」


正直、モデルになりたいという夢は前よりももっと近づいていると思う。

でも、何より私は「陸に撮って欲しかった」。

陸の瞳に見つめられるからこそ、可愛く素直に写る。

そう信じていた。
< 17 / 48 >

この作品をシェア

pagetop