Vrai Amour ~美桜の場合~
「待たせてごめんね」
陸はカメラケースの中から何かを取り出し、いつの間にか溢れ出てきた涙をそっと指で拭ってくれた。
私はそのあたたかい手のひらをぎゅっと両手で握り締める。
「美桜さん・・・これ」
照れ笑いをしながら、陸が私の膝の上に置いた小さな箱に、私は心臓が飛び出すかと思うほど驚いた。
ゆっくりとその小さな箱を開けると、キラキラと輝くダイヤモンドのリングが現れる。
「・・・・陸?」
私は再び止まらなくなった涙をそのままに陸の顔を見つめた。