Vrai Amour ~美桜の場合~
マスコミはいない。





静かな大聖堂に、静かに響くハイヒールの音。







祭壇の前で私を待っていてくれる人。






何もかもが幸せで、私はすでに涙ぐんでいた。




父親代わりにバージンロードを歩いてくれたマネージャーの手を離し、陸の隣に立つ。





「もう、泣き虫だなぁ・・・美桜は」




もう、こういう時ばっかり呼び捨てなんだから。



私は嬉しくなって、思わず微笑んだ。


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