Vrai Amour ~美桜の場合~
今夜は本当の本当に初夜だってこと。
「・・・平気、じゃないかも」
私はそう言って、陸の首に腕をまわりぎゅっと抱きしめた。
ドクンドクンと、高まりはじめた心臓の音が陸の心臓の音と重なる。
「・・・美桜」
陸はそっと私の体を離すと、トレードマークの黒縁メガネをはずしまっすぐに私を見つめた。
陸の手が背中を支え、優しいキスとともにベットに押し倒される。
「・・・陸・・・」
何度も降ってくるキスの雨に、ゆっくりと目を閉じる。