居場所をなくした少女
「そっか…。じゃぁ俺と住むか?」
「はぁ?意味分からないし」
ホント意味分からない。バカ?
「だって家から出たいんだろ?」
「まぁそうだけど」
「じゃぁ来週俺んち泊まりに来いよ。
3日限定な」
来週って早くない…?
しかも3日って…。
「はぃはぃ分かりましたー」
あたしは適当に返事をした。
もちろん新は苦笑い。
「ただいま」
家に帰り、自分の部屋に戻ろうとした。
「あー…美憂?」
聞きたくない声がした。
相手は母の……愛人らしき人。
「はい?なんですか?」
その人を睨みながら返事をする。
ドサッ
あたしの目の前に置かれた荷物。
これ……。
「これ、あたしの荷物ですけど」
この男なにしてんの?
人の荷物バックに詰めちゃって。
「美憂~これ持って
出ていってちょうだい」
「は?」
今度は違う相手を睨み付ける。
母はタバコを吸いながら、足で
あたしのバックをツンツンとさわる。