居場所をなくした少女
姿は見えないけど、声を聞いて
"優しいそうなおばぁちゃん"
ってことが分かった。
『ありがとう…。』
ふと目が覚める。
「目覚めたか?」
…この声!
あたしは勢いよく体を起こした。
「…新!」
目の前には新の姿。
「大丈夫か?うなされてたけど…」
うなされてた?
さっきのはやっぱり夢だったんだ…。
「ここは?」
あたしはキョロキョロと頭を
動かして新に聞いた。
「俺んち。お前公園で寝てたろ?」
新の家か…。
「ん。多分」
「お前一応女だし、変なやつに
捕まる前に連れてきた」
「そっか…。ありがと。一応女だからね♪」
あたしは笑いながら新の手に持ってる
水を一気に飲み干した。