居場所をなくした少女
「あれ?お父さんは?」
いつもなら新聞を読んでいるのに、
お父さんの姿が見当たらない。
だけどテーブルの上には、ちゃんと
お父さんの朝食がある。
「お父さんまだ起きてないのよ…。
美憂悪いけど起こしてきてくれる?」
「はぁい」
あたしは食べ終わった食器を流し台に
持っていき、お父さんの部屋に移動する。
「お父さん美憂だけど…。入るよ?」
返事は……ない。
扉を開き、カーテンを開けた。
眩しい光が部屋を明るくする。