居場所をなくした少女

少しずつ近寄ってくる彼。

そして、あたしの目の前で止まった。

「あ、あのー…」

何も言わない彼に恐る恐る

声をかけてみた。

すると彼はあたしに手を差し出してきた。

「…はい?」

さっぱり意味が分からない。

え?何なの?

握手をしろとでも言いたいの?

あたしはゆっくり彼の手に

自分の手を重ねた。

「よろしく」

「よ…よろしくお願い…します」


< 7 / 20 >

この作品をシェア

pagetop