居場所をなくした少女
「名前は!?」

彼は私の右手を握ったまま

私の名前を聞いてきた。

さっきから周りの女子の視線が

………痛い。

「中野美憂ですけど…あなたは?」

何気なく聞いた彼の名前。

「ん?俺?俺は裕木新」

「裕木…くん」

「"くん"だなんて小学校以来だー!!

聞きなれないから名前で呼んでよー」

…ワガママな人だなぁ。

「ま、まだ仲良くないんで」

「そっか。そうだよな!!

じゃぁこれから仲良くしていこうぜ♪」

「う…うん?」
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