しゃぼん玉
リクは、メイがタヌキ寝入りをしているのに気付いていた。
“寝たフリなんてしないでほしい……。
なんかモヤモヤして気持ち悪いじゃん。
けど、そういうの、なんかメイらしいかも”
そんな、嬉しいような切ないような、よくわからない気持ちにとらわれる。
リクは、今までのことを断片的に思い出していた。
中学生の時に疎遠になったメイのことも――。
中学時代、リクはサッカー部に所属していたので、ずっと忙しかった。
メイに冷たくされ始めた中学一年生の頃から三年間は、その寂しさを部活動で紛らわしていた。
朝練に、放課後の部活。
帰宅する時間には疲れ果て、帰ればすぐに眠れたから、マイナスな考え事をせずに済んだ。
“一生俺の片思いなんだろうけど。
メイがそばにいると嬉しいし、今はこのままでいいかも……”
そんなことを考えていると、次第に睡魔が訪れた。