しゃぼん玉

翌朝。

リクが目覚めると、メイはいなくなっていた。

「珍しいな」

メイは普段、リクに起こしてもらってもなかなか起きない低血圧なのに、今日に限っては自力で起きたらしい。

メイが使っていた布団と荷物はそのままだったが、制服はなくなっていたので、この時のリクは、

「メイすごいな。

早起きして先に学校行ったんだ」

などとノンキにしていたが、放課後、異変に気付くこととなる。


リクがいつもどおり学校から帰ると、正美が晴れ晴れとした顔でこう言った。

「メイちゃんね、さっき学校から戻って来て、そのまま自宅に帰るって言って、荷物も全部持って帰ったわよ。

よかった……。

翔子さんと仲直りしたのかもしれないわね」

「えっ!?

母さん、黙ってメイを帰したの!?」

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