しゃぼん玉
正美は困ったように笑い、
「うん。引き留めたって、ウチじゃどうしようも出来ないもの……。
こんなこと言いたくはないけど、お母さん達ね、メイちゃんが自力で出ていってくれるのを待ってたのよ」
「そんな…!!
本気で言ってんの!?
メイがおばさんと仲直りするなんて、あるわけないじゃん!!」
「そんなことわかってるわよ!
お母さんだって、昔からメイちゃんが虐待されてるのを知ってたんだから!!」
正美は珍しく声を荒げた。
それに驚き、リクは目を見開く。
正美は瞳に涙を浮かばせ、震える声で言った。
「リクには、まともな子と付き合ってほしいのよ。
メイちゃんみたいな子じゃなく、ちゃんとした家庭で育った子と……」
「まともな、って何だよ!?
それって、まるでメイがおかしい子!みたいな言い方じゃん!!
ちゃんとした家庭って何だよ!!
父さんも母さんも、一体なんなの!?
昨日から、言ってることおかしいって!!」
リクは、怒り半分、悲しみ半分で抗議する。