しゃぼん玉

リクは制服姿のまま、メイが出歩いてそうな繁華街へと向かった。

メイが翔子のいる自宅に戻ったとは考えにくいし、彼女が通うS高も、とっくに下校時刻を過ぎているだろうから。


途中、弁護士の宇都宮にも連絡した。

すると、宇都宮もメイを探すと言ってくれた。


“やっぱりメイ、昨日の話聞いてたんだ!

施設に連れていかれるのが嫌だから、俺んちから逃げたんだ! 間違いない……。

宇都宮さん、お願いだから、早くメイを助けてあげて……!”


義弘や正美の言葉とメイの失踪が、リクの心をかき乱した。

悪い想像ばかりが膨らみ続ける。

メイはケータイを持っていないので、連絡もできない。

最悪、今日中に見つけることはできないかもしれない……。

< 188 / 866 >

この作品をシェア

pagetop