しゃぼん玉
リクは制服姿のまま、メイが出歩いてそうな繁華街へと向かった。
メイが翔子のいる自宅に戻ったとは考えにくいし、彼女が通うS高も、とっくに下校時刻を過ぎているだろうから。
途中、弁護士の宇都宮にも連絡した。
すると、宇都宮もメイを探すと言ってくれた。
“やっぱりメイ、昨日の話聞いてたんだ!
施設に連れていかれるのが嫌だから、俺んちから逃げたんだ! 間違いない……。
宇都宮さん、お願いだから、早くメイを助けてあげて……!”
義弘や正美の言葉とメイの失踪が、リクの心をかき乱した。
悪い想像ばかりが膨らみ続ける。
メイはケータイを持っていないので、連絡もできない。
最悪、今日中に見つけることはできないかもしれない……。