しゃぼん玉
無表情ながらも、メイはその数字に胸が弾んだ。
“10万あれば、しばらく家に帰らずに済む……”
メグルが率いる女子グループは、目的の水族館へ着いた。
閉館まであと2時間。
「この時間からなら、あまり男の話し相手せずに済むからラッキーだね」
メグルはそう言い、メイの肩を抱く。
メイは、誰のことも信用していないし、自分には友達などいないと思っているが、メグルのスキンシップに対して時々ホッとしてしまう時がある。
メグルは明るくサバサバしていて、笑った顔がいつも輝いている。
オシャレで、恋愛の経験も人並みにある。
あねご肌な気質があり、メグルはみんなに慕われている。
そんなメグルは人なつっこくて、こうしてしょっちゅう、メイに抱き着いてきたり肩を抱いてきたりするのだ。