しゃぼん玉

メイが不思議な気持ちにとらわれていると、

「お待たせ」

と、紳士的な男が現れた。

一同に緊張が走る。

メグルだけがいつも通りで、

「はじめましてぇ。

今日はよろしくです!」

と、明るく挨拶した。

紳士的な男は、大人向けの綺麗目ジャケットを着ていたが、皆が思っていたより若かった。

「今日は、僕なんかのためにこんな大勢の子を連れて来てくれて、ありがとうね」

メイとメグルを入れて、総勢10名の女の子達。

メグルを先頭に、皆、男についていくように水族館を巡った。

紳士的な男は、その間ずっと微笑をたたえており、思い思いに水族館を楽しむみんなを見て、とても嬉しそうにしていた。


そうしているうちに、閉館時間はあっという間にやってきた。

「やっぱり若い子はいいね。

一緒にいるだけで元気になれる。

仕事で疲れた時に、またこうして呼んでもいいかな?」

そう言いながら、約束通り、みんなに10万円ずつ手渡した。

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