しゃぼん玉
“二人に心配はかけたくないけど、ナナセ君の言っていた通り、私一人で抱えるには危な過ぎる……。
今日の帰りはナナセ君が大学まで迎えに来てくれるから安全だけど、毎日頼めるわけじゃない……。
マナとシュン君なら……。
二人とも私と同じ授業取ってるし、行動する時間が合う分、余計な負担をかけずに済むかもしれない”
ミズキは二限目の大教室に向かう途中の廊下で、穂積メイに会った時のことを二人に話した。
すると、二人は自分のことのように怒ってくれ、何でも協力すると言った。
マナは小学五年生の時から少林寺拳法を体得しているため、大人の男性を倒せる力がある。
シュンもケンカが強い。
「穂積メイってヤツが現れたら、俺らが殴って追い返してやる!
で、どういうつもりか全部吐かせてやる!」
「ちょっとシュン!
相手は女の子だよ?
男ならどんだけ殴ってもいいけど、女の子にはまず話し合いから入らないと!」
「甘い!!
恐喝してる時点で、男も女も関係ねえ!
マナのそういう優しいとこ好きだけどさ」
「バカ!! 今はそんな話してないっ!」
二人のやり取りを見ていたミズキに、ほっこり笑顔がこぼれる。