しゃぼん玉
メイとマサヤは、同じ中学に通っていた。
マサヤはメイより一つ年上。
メイが中学二年生だった頃、マサヤは三年生だった。
中学時代、マサヤは学年でも名の知れた不良だった。
幼少の頃から両親が仕事で留守がちだったため、両親の愛情をあまり受けずに育った。
両親からしたらそんなつもりはなく、マサヤを可愛いがっていたがために仕事を頑張っていたのだが、マサヤはそうは思えず、その寂しさや鬱憤を学校や街中で晴らすようになった。
人を罵(ののし)り傷つけることで、
“俺は寂しくない!
弱くなんかない!!”
と、思い込んでいた。
マサヤの親は、マサヤが外で何をしていたかなんて、微塵(みじん)も知らないだろう。
そんなマサヤも、メイに対してだけは弱かった。
中学の時、メイに一目惚れしたマサヤは、すぐさま彼女に告白した。
だが、「好きな人がいる」と、振られてしまう。
マサヤは、メイの好きな相手がリョウであるということに気づいてしまった。
なぜなら、メイはリョウのことばかりかまっていたから……。