しゃぼん玉

マサヤは最初、メイに直接、リョウのことが好きなのかどうかを問い詰めようかと思ったが、メイがそういったことを簡単に口にしない性格だとわかっていた。

ただえさえメイは、何を考えているのかわからない。

なので、リョウに話をしにいった。


なぜだか知らないが、リョウは放課後一人で教室に残っていることが多かったので、マサヤはその時を狙った。

「おい。

お前さ、メイがあんなに話しかけてんのに、何シカトしてんの?」

それはほとんど、嫉妬からくる怒りの感情から出た言葉。

リョウは最初、上級生に話しかけられたことによりぎこちない視線をしていたけれど、毅然(きぜん)とした態度でマサヤの質問に答えた。

「あんなのは、話しかけてる、のうちに入りませんよ。

どうしていきなりあんな風に変わったのかは分からないけど、今の穂積さんは嫌いです。

だから話したくありません」

「はぁ??

ふざけてんのか、テメェ!!」

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