しゃぼん玉

この重たい気持ちを軽くするかのように、メイは大きく息を吐き出した。

扉の外では、清やメグル、そして一郎もメイのことを心配している。

メイは依然として、メグルがうらやましいと思った。

マフラーを買ってくれる祖母がいて、帰宅時間を心配してくれる祖父がいる。

“世の中って、なんて不公平なんだろう……”

涙が出た。

これはどういう涙なのだろう?

全くわからない。

それくらい、メイの感受性は鈍くなってしまったのだろうか。

< 391 / 866 >

この作品をシェア

pagetop