しゃぼん玉

メイが床について、どれだけの時間が過ぎたのだろう?

着替えは済ませたのだが、眠ることができないメイは、目をつむって暗闇に馴染もうと頑張った。

だが、遠くの音が耳に入るし、メグル達が入浴している気配も感じられる。

眠るのは無理だとあきらめ上体を起こした時、この部屋の扉をノックする音が届いた。

「メイちゃん、入るよ」

最近では耳慣れている、清のしわがれた細い声。

メイはとっさに寝たフリをしようとしたが、迷っている間に部屋の照明をつけられてしまったので、仕方なく上体を起こすことにした。

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