しゃぼん玉
ナナセはそんなミズキの気持ちを読みつつも、こう言った。
「宇都宮さんの名刺持ってるのはリク君だけだから、事情は話した方がいいと思うよ」
マナも、リクの気持ちを考えると複雑な思いだったが、
「そうだね……。
まさか、穂積さんに名刺もらうわけにもいかないしね」
宇都宮は、リクとメイに名刺を渡している。
リクからそう聞いた。
それでもミズキはためらっていた。
マナはミズキの瞳をまっすぐに見て、
「ミズキちゃんの気持ちもわかるけど……。
リク君には本当のこと話した方がいいよ。
宇都宮さんが本物の弁護士だって分かれば、安心できるじゃん?
そのために、リク君にも協力してもらお?」
「うん、そうだよね……。
リク君なら、わかってくれるよね??」