しゃぼん玉
今日もナナセの両親は仕事で留守の様で、ミズキ達も気兼ねなく上がることができた。
ミズキはナナセと付き合ってけっこう経つが、ナナセの自宅には数えるほどしか来たことがない。
ナナセがミズキの自宅に来る、というパターンが定着しているからだ。
ミズキはそれでもよかったが、こうして改めて彼氏の自宅に入るというのは、いろいろな意味でドキドキする。
20畳程ある、モノトーンで彩られたフローリングの部屋に通された。
ナナセの部屋だ。
あまり物を置いておらず、全体的に淡泊な内装である。
ナナセは床暖房のスイッチを入れると、
「何か飲み物持ってくるね」
と、部屋を後にした。