しゃぼん玉
「私も手伝うよ」
ミズキはナナセの後を追う。
シュンとマナは、そんな二人を微笑ましげに見送った。
最近のミズキは、ナナセと二人きりでいられることが少ない。
みんなと行動するのも楽しくていいのだが、少しだけでいいので、ミズキはナナセと二人きりになりたいと思っていた。
ダイニングに入ったナナセは、ミズキがそばにいることが嬉しそうに、頬を緩めている。
そして、照れくさそうにこうつぶやいた。
「穂積さんのことが解決したら、二人で旅行とか……行かない?」
ナナセらしくない発言に、ミズキは耳を疑った。
「りょ、旅行……?」
手にしていたグラスを落としそうになってしまう。
「うん……。ミズキちゃんもいろいろあったから気分転換した方がいいと思うし……。
俺も、ミズキちゃんと行きたいから」