しゃぼん玉


午後7時を少し過ぎた頃、ミズキ達はリクのバイト先の居酒屋前に到着した。

バイト帰りのリクとどこかで待ち合わせるより、ミズキ達がこうして店まで出向く方が早い。


ミズキ達が店の出入口の脇で待っていると、会社帰りのOLやサラリーマン、大学生の集団が続々と店内に入っていく。

「この時間は一番忙しいはずだぜ」

この店でバイトの経験のあるシュンが言った。


空は真っ暗で星も見えないのに、この界隈(かいわい)はかなり賑わっていて、夜だということを忘れてしまいそうになる。


しばらくするとリクが出てきて、清々しい口調でミズキの名前を呼んだ。

リクは、バイトを始める前より活気のある表情をしている。

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