しゃぼん玉
シュンはナナセの肩にポンポンと手を置き、言った。
「ミズキのこと支えてやれるのは、お前しかいないんだからさ」
「……うん。シュンの言うとおりだよね。
俺も、ミズキちゃんのこと元気づけたいと思うよ。
でも……。
いきなり抱きしめたりしたら、ミズキちゃん嫌がるんじゃないかな?
なんか、その……」
ナナセは恥ずかしそうに両手の指先を絡ませ、うつむいた。
「嫌がるわけないじゃん。
他人じゃないんだから。
ミズキはお前のことが好きで付き合ってるんだし。
そこは自信持てよ」
「うん……。そうだね」
ナナセはいつも、ミズキを抱きしめたいと思っている。
でも、女性経験がないナナセにとっては、女性の体に触れるということが、とてつもなく大切で重要なことに感じられるのだ。