しゃぼん玉
アイリは、マサヤのケータイに保存されている画像を、ひとつひとつ見ていく。
これ以上見てはいけない。
そう思った。
だが、見ずにはいられない。
体中が震える……。
そこには、中学生くらいの男の子の、衣服を纏(まと)っていない姿が映し出されている。
その子の体には、夥(おびただ)しい生傷があった。
“マサヤが、やったの?
何でマサヤが、こんな画像を……?”
こんな衝撃的な画像を見たのは初めてだった。
普段、刑事ドラマやホラー映画などでよくある血生臭い映像も見ない質(たち)だ。
怖くて涙がこぼれる。
潤んだ瞳で、データフォルダを次々と見ていく。
動画ファイルも保存されていた。
それを再生させると、まるでさきほどの画像の続きのように、悲惨な光景が流れた。