しゃぼん玉


人通りの少ない雑居ビルが立ち並ぶ街。

ミズキ、ナナセ、マナ、シュン、リクは、宇都宮の名刺に記載されている住所にたどりついた。


とあるビルの2階。

たしかにそこには、弁護士事務所があった。

ミズキ、マナ、ナナセ、そしてリクは安心感からその場で座り込む。

特にミズキとリクの二人は、ここへ来るまでの道のり、生きた心地がしなかった。

“もし宇都宮がニセ弁護士だったら”

そう考えただけで、メイはこの先どうなるのだろうと思い、つらかったのだ。


リクは全ての苦痛から解き放たれたように明るい笑顔で、

「よかったぁ!!

これでもう何もかも安心だぁ!!」

マナもその元気さにつられるように、

「やっぱり、宇都宮さんは弁護士バッジを付け忘れてただけなんだよっ!」

ミズキとナナセは、同じ気持ちで目を合わせ、穏やかな表情でうなずき合う。

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