しゃぼん玉

シュンは嬉しそうにナナセの肩を叩き、

「ああ! こっちは俺らに任せろ。

お前はミズキについててやれ」


そうして一同は、二手に分かれることになった。

マナ、シュン、リクの三人は穂積メイの自宅に行き、彼女の母親に会う。

ミズキとナナセは、ジム友達·アイリのところに向かい、話を聞きに行く……。


みんなの間には、緊迫感しかなかった。

穂積メイの自宅へ行くのも、

アイリの話を聞きに行くのも、

どちらも精神的な重さを感じずにはいられないことだから……。



その頃メグルは、自宅でメイが戻るのを待っていた。

「メイ、遅いなー。

あの人との話、長引いてんのかな?」

下校時、S高前でメイを待っていた小柄な中年女性を思い出し、つぶやく。

清と一郎も、メグルと共に帰宅してこなかったメイのことを、ひどく気にかけているのだ。

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