しゃぼん玉

遺書の内容は、リョウが生前使っていた国語のノートに記されていた。

《クラスのコに告白されて、俺はそれを断った。

それでキレたそのコは、

それ以来、自分の友達の女子にも声かけて、俺をイジメるようになった。

嫌だった。

でも、そのうちやめてくれると思って無視してたのが甘かったみたい……。

あいつらだんだん調子に乗ってきて……。

体に証拠が残らないようにって、毎日言葉でたくさん責められた。

つらかったけど、卒業まで我慢すればいいやって思ってた。


けど……。

今日の放課後、いきなり知らない男子に体育倉庫に連れていかれて、

いつも俺を悪く言ってくる女子達の前で、服脱がせてきて……。

裸の写メたくさん撮られた……。

それ以上のこともされた。

でも、恥ずかしいから書かない。


どうしたらいいの……。

あんなことされるなんて思ってもいなかったのに、明日からどんな顔で学校行ったらいいの?


お願い。これに気付いた誰か……。

その写メをあいつらから奪って画像を消して?

あんなのがみんなの元に渡ったら、

みんなに見られたら、

生きていけない……。

今日、脅されたんだ。

みんなにその写メばらまかれたくなかったら、何でも言うこと聞けって。


こわいよ……。》


この“告白を断ったらキレた女子生徒”というのが、穂積メイ。

ミズキはそう確信した。

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