しゃぼん玉
先頭を歩いていたマナとシュンは、マサヤの話を聞いた瞬間顔色を変え、二人の方に振り返った。
「そんな……」
マナとシュンは思い出していた。
今日のミズキが、どこか物寂しげな瞳をしていたのを。
その原因はマサヤにあると察した。
ナナセはミズキを元気づけるように、彼女のミズキの手を握っている。
ミズキとナナセは、知っている範囲で、アイリから聞いたマサヤの人物像も話した。
シュンはそれを聞いて意を決したように強い瞳で、
「穂積の親も気になるけど、マサヤのことも早めに問い詰めた方が良さそうだな。
いくらアイリがマサヤを無視してても、マサヤみたいなヤツは、強引にアイリからケータイを奪って逃げるかもしれねえしさ」
ミズキもシュンの勢いを吸収したように同意した。
「うん……! そうだね。
……急ごう!!」
四人は、足早に穂積宅へ向かった。
“アイリちゃん、待っててね。
すぐ行くから、どうか、無事でいてね……”
アイリがマサヤに出くわさないことを、ミズキは心底願った。