しゃぼん玉

上空を優雅に飛んでいるカラスの鳴き声を耳にしながら、一同は穂積宅に着いた。

家の中に人の気配がある。

穂積翔子だろうか?

今日は居るのか?

四人は気配を消して、夕焼けが射す窓ガラスの表面からそっと中をうかがった。

「メグルちゃん!!」

ミズキは、中にいる人影を見て思わず声を上げた。

なぜだかわからないが、制服姿のメグルが穂積宅の中を物色している。

中にいたのが穂積翔子ではなかったことに胸を撫で下ろし、ミズキは玄関の扉をノックした。



メグルは背中をビクッと震わせ、

「ヤバ!!

メイの親帰ってきちゃった!!

どぉしよ~!!」

ミズキ達の訪問だとは夢にも思わず、メグルはアタフタする。

とりあえず押し入れの中に隠れることにした。

メグルは、メイに頼まれてここにいる。

メイは家出を決意し、昨日ここへ荷物を取りに来たのだが、その時は翔子やその恋人がいたため、中へ入れなかったのだ。

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