しゃぼん玉

「やっぱり……。

あんたが私に優くするのは、私の体が欲しいからでしょ?」

「何言ってんだよ!

そんなわけないじゃん……。

俺は、メイが心配だったから……」

メイは汚い物を見るような顔でリクを見ている。

初めて自分に向けられるメイの視線を受け、リクは深い深い悲しみを感じた。


「あんたは妙に優しいから、ずっと警戒してた。

彼氏になりたいとか言ってきたし……」

「たしかにそう言ったけど、それは、メイのこと支えたかったから……。

メイのこと、心配で……。

エッチしたかったわけじゃない!!」


リクは、メイが実の父親に性的虐待をされていたことを知らない。

メイも、そのことは誰にも話していない。

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