しゃぼん玉
リクは大粒の涙をこぼし、
「メイ、どうしちゃったんだよ……。
昔はもっと、素直だったじゃん。
もっと、思ったこと言ってくれてたじゃん……」
「いつの話してんの?
人は変わるんだよ。
いつまでも昔のように無邪気な女の子でいるなんて、無理なんだよ」
「メイ……」
リクの中に、
諦めのような、
失望のような、
暗い感情ばかりがうずまく……。
たしかに、生きている以上、ずっと同じ性格·考え方でいることなど無理なのかもしれない。
だけど……。
メイにはこれ以上苦しんでほしくなかった。
それだけなのに。
メイは重苦しい雰囲気が苦手だ。
そんなのは、翔子といる時だけで十分。
なので、不自然ながらも話題を変えた。
「あんた、今日何しにここに来たの?」