しゃぼん玉
大成は、メイに話をした時以上に真剣な声で話をした。
「今日は突然お邪魔してしまい、大変申し訳ありません。
驚かせてしまうかもしれませんが、あなたにお願いがあって、こうして話をしに来ました。
私達は、あなたがメイさんにしていたことを知っています」
「……何? 脅し?
警察に通報するって?」
翔子は敵意をむき出しにする。
「いえ。警察に通報する気は全くありません。
そうしたら、メイさんが傷つくだけで終わってしまうでしょうから……。
お宅のメイさんを、私達の養子にさせて頂きたいのです。
メイさんも、賛成して下さいました。
ですが、私達だけで勝手に決められる事ではありません。
メイさんの保護者であり母親でもある、あなたのご意見や意思を聞かせて下さいませんか?」
「養子、ねぇ……。
好きにしたら?
その方が助かるから。
子供いると、何かと動きづらいのよね」
「……あなた、それでもメイちゃんの母親ですか!?」
菜月は立ち上がり怒鳴った。
「母さん……!」
大成は興奮した菜月をなだめるように座らせ、落ち着かせた。
ミズキはうつむくメイの背中をさする。
大成も、翔子の冷たさに腹を立てた。
だが、ここで怒っても何も変わらない。
割り切って、話を進める。
「それが、あなたの本当の気持ちですね。
それでは後日、養子縁組の手続きのために、もう一度お邪魔させて頂きます。
今日はこれで、失礼いたします……」