しゃぼん玉

ミズキは少しだけ早起きして、ダイニングに行った。

ブラインドが閉まっていて、薄暗い。

冬の朝の冷たさが漂って、体を震わせた。


メイはまだ眠っている。


今日は高校も大学も休みなので、ミズキはある用意をしていた……。



午前11時。

パートに向かう菜月を送り出し、ミズキは眠っているメイを起こしに行った。

メイは二度寝しそうになっていたが、階下から香るいい匂いにつられて着替えをした。


メイが支度をしている間に、ミズキは別室でリクに電話をかけた。

「リク君。今日、ウチに来ない?」

『えっ……。でも』

「用事とか、あった?」

『ないけど……』

「じゃあ、お願い。

今日は…………」



リクを呼び出すことに成功した。

後は、料理の準備と部屋の片付けをするだけ……。



それから1時間後。

星崎家にはリクがやってきて、メイは慌てて奥の座敷に隠れてしまった。

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