恋心屋

たしかに「無料」と書いてある。


それは何度も確認をした。


ただ、無料ということよりも、僕には広告の隅に書いてあった「生きるための恋心」のことの方が気になった。


「生きる」と「恋心」という単語がうまく結びつかなかった。


「生きる」ためには「恋心」が必要なんだろうか。


店の外をみると、4、5人の制服姿の中学生たちがだらだらと歩いている姿があった。


生きているんだろうけど、恋をしているわけではないんだろうな。


でも楽しそうにみえる。


恋心があるからなんだろうか。

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