恋心屋
「裕太くん、勉強の調子はどう?」


夏休み前、偶然学校で会ったミホが聞いてきた。


うーん、どうかなとあいまいに答えると、ミホは、裕太くんなら大丈夫だよねと一人でうなずき、去っていた。



ミホと僕の母親はおさななじみで、その関係でミホと僕もおさななじみになった。


家族一緒に旅行をすることもあったし、夕飯に呼ばれることも小学校のことはしばしばあった。


そして、ミホが作ってくれたクッキーをごちそうになり、僕が「おいしい」というのをいつも待つように、ミホは近くにいてくれていた。


ずっと二人だったとおもう。
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