恋心屋
「裕太さん……温かい」




「僕もです、ミツキさん…」





ミツキさんも僕に腕を回してきた。


それはとても、ほんとうに優しいものだった。



背中に回していた左手を、ミツキさんの頭にのせて、さらさらとなでてみた。



髪は冷たくなっていたけれど、深く指を入れるととても暖かい。



「ひとって、温かい…」


そう言って僕は何度も何度も、ほわほわとミツキさんの頭をなでた。


< 39 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop