恋心屋
1分ほどだったろうか、僕たちはそうした姿勢を崩さずにいた。



軽い視線のようなものを感じたが、今は二人だけの世界。


とくに終わりの合図は出さなかったけれど、自然と力を抜いていって離れた。


「すみません、とつぜん」



「謝る必要はないですよ、許可もちゃんと出してましたし。それに…」



ミツキさんは頬を赤らめて



「私も、裕太さんをぎゅってしたいなって、ちょうどおもってたんです」


「どうして言わなかったんですか?」


「だって……」


視線を少しそらして、




「こういうのは、男性からの方が、女性は嬉しいもんですから」


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