恋心屋

「今はあまり読んでないから、何かいいのないかなって探してる」


ふーん、というミホは、何かを期待しているようなまなざしで僕の方を見てくる。



その瞳は、どこかミツキさんに似ていた。



いや、ミツキさんの瞳がミホに似ているのか。



そのことを考えていたら、ふと昨日電車の中で女性が読んでいた本のことを思い出した。



あの本はこの図書館にあるんだろうか。


タイトルはたしか……。


ミホに、じゃあ、というと、図書館の検索コーナーに行って入力してみた。


調べてみると、図書館にあって、しかも借りられていなかった。



とりあえず借りる手続きをすると、ちょうどミホも借りるところだった。


< 48 / 81 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop