恋心屋
「青春は、大人にはないからな。そのことは忘れるな」
「はい……」
そう言い終えると、昼休みを終えるチャイムが鳴った。
重苦しい響きは、胸の奥にまで共鳴している。
チャイムが鳴り終わるまで、僕は動けなかった。
じゃあな、と告げると先生は去っていった。
校庭の生徒たちが校舎に猛ダッシュでかけこんでいる。
残されたグラウンドには、ボールが1つ忘れられたように置かれたままだった。
先生は青春をしている、不思議とそう感じた。